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水をつくる社員ブログ

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水処理サロン その36

2015-06-25
T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
E 「洗浄せずに、廃棄する方法は本当にないんですか?」  
   
「ないね。(キッパリ)  話が少し戻るけど、汚泥の中にシアンが入っていたら、どうする?」  
   
E 「そりゃ、シアンを処理して、無害化してから汚泥として処分しないと・・・・・。」   
   
「しないとどうなるの?」  
   
E 「しないと・・・・・、全量が、特管になりますもん・・・えっ・・・あっ!」   
   
「でしょ、プラスチックも汚泥と同じで、より、害の大きな物と一緒には処分できないのよ。」  
   
E 「ただね、固定床は今、安くて1m3で2~3万位じゃないですか?」  
   
T 「枠材をSUSで作って、8万円位かな?」  
   
E 「で、廃棄するのにいくら見ればいいんですか?」  
   
T 「1m3で15万円は、見て下さい。。」  
   
E 「ひぇー、100m3の水槽に70%充填の固定床の撤去費が1050万・・・・」  
      
T 「で、新しく入れる流動担体が20%充填で400万。」  
   
E 「固定床の新品値段って、立米2万円位なんですよね?」  
   
T 「そうね、新しく固定床を入れると、枠が使えたら140万位でできるよ。 水槽清掃費とかは別だけど。」
   
E 「そうですよね、廃棄するにも洗浄しないといけないなら、洗浄すれば新品に戻りますもんね。」
   
T 「はい、閉塞で性能劣化したんなら、逆洗管の改善や、より洗浄可能な構造にすればいいしね。」
   
E 「結論、そう言うことですね。  ただ、どうしても、施主が交換したいと言ってたらどうします?」
   
T 「既設設備の施工業者さんに相談すればいいんじゃないですか? 製造責任で・・・」  
   
E 「でも、古い設備で、施工業者さんも廃業したりで、困ってるんですよね。」  
   
T 「まぁ、それは仕方ないですね。」  
   
E 「Tさんは、こんな固定床を何現場くらい作りました?」  
   
T 「え・・・・・・・・・・・・、あまり、記憶にないですね。」  
   
E 「ホントですか~製造責任って、自分で言ってましたよ。」  
   
T 「はぁ、なんのこと?」 E 「だから、製造責任のことですよ~。」  
   
T 「幽~~体~~離~~脱~~」 E 「また、それか・・・・・」  
   
  - 先月号って、お休みしてませんでした? -

水処理サロン その35

2015-04-25
  T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
「前回、廃棄物法と言ったけど、正式には廃棄物の処理及び清掃に関する法律です。」  
   
E 「清掃法の方が通りがいいかも知れませんね。」   
   
「はい。でも、清掃法って屎尿っぽくないですか?」  
   
E 「屎尿?屎尿処理? あ~衛生センターのことですか。」  
   
「・・・・そんなに、年離れてないけど、話がそれるんでまあいいや。」  
   
E 「で、汚泥扱いなら、汚泥扱いで処分してもらえばいいじゃないですか?」  
   
T 「じゃあ、産業廃棄物業者さんに聞いてみますね?」  
   
A 「はいはい、何でも聞いてや~。」  
   
E 「え~~意外な展開ですね? 社外の人を勝手に出しちゃっていいんですか?」  
   
T 「まあ、気にしないで進めましょう。 で、実際問題どうですか?」  
   
A 「うちは、廃プラ持ってないから、そら、汚泥と分離せなあかんわ。」  
   
E 「思いっきり、関西弁ですけど、いいんですか?」 T 「何か問題でも?」  
   
A 「廃プラも、汚泥も許可取ってるところは無いのと違うかな?持ってても分離は、せなあかんし。」 
   
T 「クラッシャーと洗浄スクリーンの付いた車両って、聞いたことがあるんですが?」  
   
A 「あ~うちも持ってたけど、廃車したよ。稼働率が悪くて、会社としては維持でけへんからな~。」
   
E 「そうなんですか。それで、いまはどうしてるんですか?」  
   
A 「プラスチックの固定床でも、高圧洗浄のジェットが通るタイプと通らないタイプがあるんやわ。」
   
T 「比較的簡便な構造の卵のパックのような奴は、通りやすそうですね。」  
   
A 「そうやねん、きっちりハニカムになってる奴は、上からだけでは洗浄出来んかったな。」  
   
E 「で、どうしたんですか?」 A 「洗管ノズルって、知ってる?」  
   
E 「あ~逆噴射して、配管の中を洗浄できる奴ですよね。  えっ、それ使うんですか?」  
   
A 「そやねん、40mmハニカムなんて1平米で、いくつ穴あると思う?」  
   
T 「・・・・・・・625個・・100m3水槽4m水深に70%充填して3m高さで、・・・・洗浄穴数3万3000個」
   
A 「そやねん、一回やってえらい目に会うたんやわ~。だから、そんな仕事、頼まんとってな~。」
   
E 「でも、それじゃー、どこに頼めばいいんですか?」 A 「ほな、さいならー。」
   
T 「・・・・・・・・・  ┐(-。ー;)┌ 。」  
  - 苦しみながら次号に続く。 -

水処理サロン その34

2015-03-25
T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
E 「沈殿槽の話がまだ続くんですか?」 T 「いやもうやめる。あきた。」  
   
E 「じゃー、ちょっと相談にのってもらっていいですか?」  
   
「はい、いいよ。」  
   
E 「接触酸化槽の固定床を撤去して、流動床に改善増強したいんですけど。」   
   
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」  
   
E 「えっ、どうしたんですか?」  
   
「その相談多いんだけど、一番嫌な仕事なのよね。」  
   
E 「どこが問題なんですか?」  
   
T 「まず、どんな接触材ですか?」  
Bitmap
   
E 「よくある、プラスチックかPVCのハニカムの立方体の奴ですが。」  
   
T 「はい、そうですね~まず撤去しますよね。じゃぁ、最初に準備はどうしましょう?」  
   
E 「水抜きして、洗浄ですよね? 高圧洗浄機でバアーと。」  
      
T 「バアーバーとね、で。」  
   
E 「で、取り出して、トラックに載せて、廃プラスチックで産廃業者へ委託処分で・・・」  
   
T 「それで、汚泥取れてます?」 E 「中まで?」  
   
T 「中まで、きれいに、ぴかぴかに。」   
   
E 「そりゃ無理ですよ~複雑な形で接触面積を増やしているのに。」  
   
T 「廃棄物法の話をしますね。」 E 「はい。」  
   
E 「まず、廃棄物には一般廃棄物と産業廃棄物があります。」 E 「はい。」  
   
T 「その、各々に通常の廃棄物と特別管理廃棄物に分かれます。」  
   
E 「特管ですよね。一般廃棄物にもあるのですか?知らなかった。」  
   
T 「ま、一般廃棄物も産業廃棄物も、環境や健康に被害の大きい物が、特管になります。」  
   
E 「そりゃ、建築廃棄物でも、アスベストでは普通に扱えませんものね。」  
   
T 「で、コンクリート水槽を解体しても、きれいに洗浄しなければ、汚泥扱いになります。」  
   
E 「え~建築廃棄物ではないんですか~~?」  
   
  - 唐突に次号に続く。 -

水処理サロン その33

2015-02-28
  T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
E 「傾斜板のデメリットって、何なんですか?」  
   
「じゃあ、仮に3m×3mの沈殿槽に、傾斜管を入れて能力UPを測ったとします。」  
   
E 「イメージは、土木槽とかで、壁面垂直ですね。」   
   
「そこに先月、話した仰角60°の傾斜板を高さ1m設置したとします。」  
   
E 「設置高さは、センターウェル下端合わせくらいですか?」  
   
「はい、それでいいです。 が、60°の傾斜は9㎡の有効面積にデッドスペースを作ります。」
   
E 「上面はあっても、下面がないですもんね。」  
   
T 「これは、傾斜ブロックの高さに由来するので、1m高さだとtan30°の0.577m×3mで  
    1.73㎡のロスとなりますから、元面積の9㎡に対して-19.2%の有効面積となります。
Bitmap
   
E 「ふむふむ・・・、えっ、先月傾斜板の有効率は、+27%って言ってましたよね。」  
   
T 「はい、何か問題でも?」  
   
E 「それじゃ、実質8%程の効率UPしかないと言うことですか?」  
      
T 「これは、3m角の小さな沈殿槽での計算なので、大きな沈殿槽の方が効率が良くなります。」
   
E 「でも、沈殿槽が小さいから、傾斜板を入れよう~とかの話になるんじゃないですか?」  
   
T 「まあ、そう言うケースもあるだろね。だから、安易に能力UPをアピールしないでね。」  
   
E 「はい、でも以前に買った傾斜管は、右上がり傾斜と左上がりが交互に交差されてましたよ。」 
   
T 「それは、デッドスペースの位置が分散するだけで、面積は変わりません。」  
   
E 「以前に横流式の沈殿槽で傾斜管を入れてましたよね。」  
   
T 「あれは、2.5m×6mだったから、同様の計算では有効面積が、-9.6%となります。  
   正方形よりも、長方形の方が流れ方向に傾斜管を入れるので、ロスが少なくなります。」  
   
E 「円形の沈殿槽にもロスはありますよね?」  
   
T 「はい、同じ理屈ですから、ちょっと待って下さいね。有効面積に対するロス面積の割合なので
    前出と同じ9㎡の円形沈殿槽の3.4mφで計算してみましょう。」  
   
「・・・・-16.7%の面積ロスになりますね。円形の分、四角より少しマシですね。」  
   
E 「あ・あ・あ~そう言えば直胴部が傾いてる沈殿槽見たことがありますよ。」  
   
T 「そうですね。それが本来の姿でしょうね。はい、何か問題でも?」  
   
   
  - 以外と続く沈殿槽の巻。 -

水処理サロン その32

2015-01-27
  T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
E 「沈殿槽の続きですよ。フロックが沈まない場合の話です。」  
   
「まずは、傾斜板の話からします。」  
   
E 「あ~、傾斜板とか、傾斜管とかブロックで売ってたりしますね。」   
   
「ちょっとめんどくさいけど、理屈から説明します。」  
   
E 「簡単にお願いしますね。^^」  
   
「まず、上向流の沈殿槽に傾斜板を入れる場合を考えます。」  
   
E 「はい、垂直に上向流ですね。」  
   
T 「で、ここでは仰角60°の傾斜板を考えましょう。有効面積が同じなら上向流の時と  
    同速度で、60°に沿って、斜めに上昇流ができます。これに対してフロックの沈殿方向は、
    重力方向なので、垂直に沈もうとしますが、水流との合成ベクトルで斜めに沈みます。  
   
E 「ほー? 斜めに、沈む・・・。」  
   
T 「えっ、ここで、もう無理なの?まだまだ、難しくなるよ。  
    でこの時、汚泥界面は、沈降方向に対して直角面で形成されるので、水平ではなく斜めに
    形成されます。」  
   
E 「ん~、イメージがわかないけど、どの程度なのですか?」  
      
T 「理論上の計算をしてみましょう。 まず速度を水面積負荷で10m/dとしましょう。」  
   
E 「あっ、面積負荷って、速度の単位なんですね~。」 T  「・・・・・(無視)」  
   
T 「で、沈降する速度は、これより速くなければ沈まないので、仮に15m/dとしましょう。  
    この時、フロックの沈降角度は、俯角で51.7°になり汚泥界面は38.3°傾きます。」  
   
E 「そんなに傾くんですか?」  T  「理論上はね。」  
   
T 「なので、元の水平面積に較べて、27%の面積UPとなります。」  
   
E 「意外と傾いても、面積UP率は、高くないんですね。」  
   
T 「ここでの、注目は上向流速度と沈降速度の差が少ない程、汚泥界面の傾斜がきつくなり  
    界面面積のUP率が高くなると言うことです。」  
   
E 「沈みやすい汚泥は、より速い速度で流す方が面積効率が高くなると、言うことですか?」  
   
T 「理屈では、そうなんだけど、傾斜板にはデメリットもあって、なかなか27%UPとはいきません。」
   
E 「紙面がないので、次回へつなごうとしてます?」  
   
T 「はい、何か問題でも?」  
   
  - 以外と続く沈殿槽の巻。 -
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